週末になると家に籠る日々が続いている。
重い腰を上げて隣駅まで歩く。
移りゆく景色は気を紛らすのにちょうどいい。
お気に入りのゴミ袋を買って帰路に就くにはもったいないと立ち寄った古書店。
埃っぽい、縦にも横にも積まれた茶褐色の本たち。
つい先日逝去された外山滋比古さんの本はあるまいかと、一通り棚を眺める事にした。
開けっぱなしの店には西日が当たり、じりじりとした熱が書籍に入り込んでいった。
奥へ進むと天井から澄んだ響きがして、ふいに冷涼感を覚える。
モーツァルト?いやこれは、、ハーモニーとそこからボウイングが蘇ってシューベルトの弦楽四重奏ロザムンデだと気づく。
ちょうど1年前念願の五重奏を弾くことが出来て、今年は四重奏をプログラムに組む予定だった。
今頃作品を体験した喜びに包まれている頃だっただろうに、、、次に室内楽が出来るのはいつの日か。
既にお目当ての本は見つかっていたが、なんとなく最後まで聴いていたくなって、その間興味の向く本を探し続けた。
山形県の古い地形図や長新太さんの絵本なんかも置いてあった。
寡黙な店主にお礼を言って、麦わら帽子をかぶる。
また来ることがあるかはわからないけど、1つ居場所が増えたようで嬉しかった。
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